夏休みのTシャツ
恭ちゃんもあたしも頑張った。

ミスを取り返せるぐらい頑張った。

結果は………







2-3







負けた。覚悟はしていたけど、やっぱりツラい。


しかも1本差って。

どうせなら0-5ぐらいで負ければ良かったのに。


ミスがなくても勝てなかった、

しょうがない、

ベスト4の壁は高い、


そう思えるのに。


ミスしてもここまで出来たってことは、優勝も狙えたかもしれない。



あたしのミスがなければ勝てたかもしれない。



あれさえなければ…………





試合が終わった後、恭ちゃんはあたしと口をきかなかった。



観客席に戻るまであたしはずっと恭ちゃんの背中に謝り続けた。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…」

つぶやくようなあたしの声は会場の声援にかき消される。


本当は恭ちゃんに抱きついて泣いて謝りたい。



何度も何度も謝るから

何でも言うこと聞くから



お願い。




こっちを向いて?


『お前のせいだ』
って怒鳴ってよ。


いつもみたいに
怒ってよ。




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