夏休みのTシャツ
・握り締めた手
あたしの願いは虚しく、恭ちゃんは本当に一言も話してくれなかった。
観客席に戻るとお母さんや後輩が声をかけてくれた。
恭ちゃんは
「あぁ。」
とか
「まぁ。」
しか言わない。
いつもと同じ恭ちゃんの態度にちょっと安心するけど、あたしは………
声をかけられる度に悲しくなる。
慰められる度に苦しくなる。
涙が溢れそうなのをこらえる。
あたしなんかが泣いちゃいけない。
本当に泣きたいのは恭ちゃんなんだから。
自分じゃないパートナーのミスで勝利を逃したんだから。
恭ちゃんは一人で次の種目の準備をしている。
あたしの出ない種目。
恭ちゃんの背中に近付く。
無視されても、
返事をしてくれなくても、
怒鳴られても、
当然だって思ってる。
それでもあたしは声をかけた。
「恭ちゃん……。
観客席に戻るとお母さんや後輩が声をかけてくれた。
恭ちゃんは
「あぁ。」
とか
「まぁ。」
しか言わない。
いつもと同じ恭ちゃんの態度にちょっと安心するけど、あたしは………
声をかけられる度に悲しくなる。
慰められる度に苦しくなる。
涙が溢れそうなのをこらえる。
あたしなんかが泣いちゃいけない。
本当に泣きたいのは恭ちゃんなんだから。
自分じゃないパートナーのミスで勝利を逃したんだから。
恭ちゃんは一人で次の種目の準備をしている。
あたしの出ない種目。
恭ちゃんの背中に近付く。
無視されても、
返事をしてくれなくても、
怒鳴られても、
当然だって思ってる。
それでもあたしは声をかけた。
「恭ちゃん……。