夏休みのTシャツ
いきなり話しかけられたことと、高田先輩の名前が出たことで慌ててアイスを落としそうになる。

「さぁ?あたしに聞かれても分かんないよ。」

「そうだよね。」


もう、みんなの前でそんな話しないでよ。
またアイスを食べ始めようとしたとき、隣にいた恭ちゃんが小声で話しかけてきた。

「もしかして優希は高田くんのことスキなの?」

「えっ?なんで?」

平然を装い答えた。
運動したあとじゃないのに心臓はバクバクしてる。

「だってさっき高田くんの名前が出たとき、びっくりってゆうか、慌ててなかった?」

「そんなことないと思うけど、そう見えた?」

「うん。俺にはね。みんなは気づいてないと思うけど。ほんとに違う?」

「もぉ。違うってば。」

恭ちゃんは鋭い。頭もいいし、スポーツ万能。おまけに顔もいい。
ときどき色んな意味でドキドキさせられる。

さっきのは図星だったから。

でもスキっていうより、やっぱり憧れの方が強いんだろうなぁ。



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