服従の宴―契約―
「ナオちゃんと別れなきゃだめ?」
「だめ、あの男、母さんを客としか見てないよ。本気で付き合ってるなら、店以外で会えばいい」
「色々あるのよね……」と悩ましいため息を吐き出し、顕斗がこぼしたパン屑を指で集めた。
ケチャップとマスタードがのったホットドックを顕斗は三口で食べてしまった。久しぶりの幸福感。
何で、うちにはいつも金がないんだろう?
「ほら、これはツナが入ってる! 顕斗に半分あげる」
マヨネーズとからまったツナパン。今食べたら次はいつ食えるんだろう? と考えた。