恋色カフェ


わざと意地悪な質問をしてやった。ちゃんと微笑んで言うことができただろうか。


「何、やきもち?」

「……自惚れないで下さいよ」


あ……ちょっと可愛くない方向にいっちゃった。


自分で言ったくせに何だか悔しくて、私は夜景にだけ目を向ける。



「怒ってるのが、何よりの証拠じゃないの?」

「……怒ってませんよ」


「ねえ。面白くないのは俺の方なんだけど」



その言葉と同時に腕は掴まれ、柱の影に引っ張り込まれた。誰からも見えない、この位置。ドクン、と胸が鳴る。



「……、なっ」

「大きい声は出すなよ」


店長の胸にすっぽり包まれた、体。もう、身動きは取れない。


「また、店長って呼んだだろう」

「……え」

「お仕置き……増やさないとな」


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