恋色カフェ
「そう。それでいい」
ここには夜景を見に来た筈なのに……。まともに夜景を見せてくれる気なんて、店長には微塵もなさそうだ。
現に彼は瞼から額、頬へとキスを落として、止める気配は無い。
それが何度か繰り返されているうちに、私は少しの疑問が湧いた。
「あの……」
「……何?」
ゆっくり目を開けると、飛び込んできたのは、意地悪そうに微笑む顔。
「あの……、何、で……」
何で、唇にはキスをしてくれないの?
……なんて、言える訳なかったのに。勢いで、何を言おうとしていたんだろう。
ふ、と笑みを零してから、店長は私の頬を撫でた。
「……お仕置き、って言っただろう?」