恋色カフェ
「えっ、な、なんで?!」
《お前が男と会ってないか、この目で確かめに来た》
「会ってる訳ないじゃないですかっ」
店長は電話の向こうで、クックッと小さく笑いを零している。
からかっているのか……少しは、本気なのか。
早く確かめたくて、私は店長の車に駆け寄った。
「びっくりしましたよ……」
いろんな緊張が一気に解け、そう言って助手席に座ると、自分でも驚く程長く、口から息が吐かれた。
店長はと言えば、私の様子が余程可笑しかったのか、はたまた、サプライズが成功したことが嬉しかったのか、声を上げて笑っている。
「ご丁寧に、場所までメールで知らせてくれたからね。そうやって俺を油断させといて、他の男と会ってたら嫌だからなぁ」
「会いませんよっ」