恋色カフェ
そう言いながら、店長の手は私の頭に乗せられたまま。
「ほら、信号変わりました、って」
私に最後まで言わせなかったのは、それが図星だったからだと、思ってもいいのだろうか。
……だとしたらこの人は、私をどのくらい前から待っていたのだろう。
店長の手がシフトレバーに移ってから、横目でこっそり隣の様子を伺う。
「なに見てんの?」
こっそりのつもりが、すんなりバレるなんて──恥ずかし過ぎる。
「いえ、別に……」
私は顔が熱くなるのを感じながら、絞り出すように返事をした。
「さっきのは、お仕置き。また、店長って呼んだでしょ」