恋色カフェ
確かに──緊張していた。
今、自分の家に店長がいる。
その“現実”にうまく頭がついてこない。
仕事場や外で会っている時とは、何かが明らかに違う。
何せ、3年前はこんなこと、絶対に叶わないと思っていたから。こうして日常の景色に彼が映りこんでいることが、まだどこか信じられないのだ。
「俺も、少し緊張してる」
幾分小声でそう零した後、どこに座ればいいの、とすぐに続けたのは、照れ臭かったからだろうか。
私は慌ててリビングのソファーへと店長を案内した。
「あの、ちょっと、待ってて下さい。熱いのを食べてもらおうと思って……」