恋色カフェ
「烏龍茶を取りに行ってたんだよ」
クスクスと笑いながら、店長は烏龍茶のペットボトルをベッドサイドのテーブルに置いた。
「あ……」
「俺がいなくなるとでも思ったの?」
ベッドに腰かけると、今度はニヤリと意地悪な笑みを浮かべている。
──どうして、そんなに余裕なの?
訊けるものなら聞いてみたい。
本当に本気なのか、本気に見せかけて、遊びなのか。
店長の心を掴もうと手を伸ばしたって、いつも簡単に指の間をすり抜けていってしまう。
「いなくなる訳ないだろう」
こうして店長の指が私の髪に触れるだけで、心臓は大きく跳ね上がる。
いつも、私ばっかりが、こんなんで──。