恋色カフェ
気になるだろ、と店長は私に顔を近づけ、射抜くような視線を向ける。
私はすぐに、その視線から逃れた。
「俺のこと、嫌いになった……?」
ねえ、彗。
そんな切ない声で呼ばれたら、それが策略だとわかっていても店長の方を向いてしまうじゃない。
恐る恐る視線を合わせると、当然の流れのように唇が重なった。
私が店長のことを嫌いになんかなる訳がないと、わかっているくせに。
どこまでも自信たっぷりで、どこまでもズルい男。
「俺からもう、目を逸らさせない」
店長はほとんど唇を重ねたままでそう呟くと、舌先を優しく侵入させ、深く、私の口内を犯した────。