恋色カフェ


キャラメルブラウンの、猫っ毛の髪。たれ目気味の、目。笑った時にチラリと覗く、八重歯。


見た目は甘え上手の草食系男子、って感じなのに、中身は意外と頼れるしっかり者だ。大学でも、そのギャップにやられる女の子が多いらしい、と誰かに聞いた。



やっぱり、女の子をあしらい慣れているんだろうな。

前も感じたことだけど、確かに彼は店長と“同じ種類”だと思う。



「そう言えば」


店長のデスクにあった段ボールを開けていた勝沼君が、そう言って突然コチラを向いた。

私は慌てて、視線を書類に逸らす。



「来週1週間、店長いないんすよね」

「……え?」

「あれ、聞いてないすか?」

「うん……聞いてなかった」


また、私が最後……?


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