恋色カフェ



そうして店長に見惚れているうちに、また事務所のドアが開いた。



「店長、仕入れの件で相談があるんですけど……」

「土屋さんかー。少しは俺を休ませてくれ。今、煙草に火点けたばっかりなんだよ」

「何言ってるんですか。店長はこの店の責任者なんですからね」


ほら早く行きますよ、と笑いながら言って、万由さんは店長の腕を引っ張っている。


わかったよ、と煙草を灰皿に押し付けると、店長は渋々万由さんに引っ張られながら、事務所を出て行ってしまった。



──そう、だったよね。


時々、忘れそうになる。


そう言えば最近、万由さんと店長が一緒にいるところを、よく見かけるようになった。


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