恋色カフェ



『会社は仲良しこよしの集まりじゃないんだから』


以前から、常に私の胸に刻んでいる言葉。

傍から聞けば、至極当たり前のことだろう、けど────。



『派遣さん』

派遣で働いていた時、そう呼ばれる度に何となく差別的な気分を味わっていた。



忘新年会も、歓送迎会も、声が掛かることはまず無い。


派遣はどこまでいっても派遣。その会社の社員じゃない。

だから、そういう扱いなのは当然のことだ……と。


心では納得しながらも、やっぱりどこかで疎外感を拭い去ることは出来なくて。


その度に、私は心の中でこの言葉を繰り返していた。




──今、

私は派遣の時と同じような疎外感を感じる時がある。


私も皆と同じ『アンバー』のスタッフの一人だというのに。



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