恋色カフェ


「これを来月から、アンバーのブレンドとして出そうかと思ってさ」


店長はドカリとソファーに腰掛け、煙草に火を点けながらそう言った。


「いいと思います。私もこの味好きです」

「でしょ? 俺の味覚は間違いないんだから」


店長はわざと得意顔でそう言ってから、小さく笑う。


この際だからスイーツも新しくしようか、などと、独り言のように呟く店長は、本当に生き生きしているように見える。




私は────今まで何やってたんだろう。


復職してからさっきまでの自分の思考や行動を振り返ったら、一気に自己嫌悪が襲ってきた。


以前アンバーで働いていた時は、万由さんにだって負けない位、仕事に積極的だったのに。


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