恋色カフェ
気がつけば、仕事とは関係のないことばかりが頭の中を支配していた。
店長と話せないのがキツい、とか、疎外感を感じる、とか……。
大好きだったアンバーに戻ることが出来て、ずっと好きだった店長と付き合っているような雰囲気にまでなって。
思いがけないことが立て続けに起こったものだから、浮かれ上がっていたんだ、私は。
こんな私じゃ、店長に「好き」って言ってもらえないのも当然だ。
「……コーヒー、ご馳走様でした。では、失礼します」
これ以上ここにいたら、もっと醜い自分を晒してしまいそうな気がして、私は逃げるように事務所の扉に手を掛けた。
「……彗」