恋色カフェ


帰りの車の中で、コーヒーのことを話していた店長はやっぱり生き生きしていた。



『せっかくだから、グアテマラの雑貨なんかも仕入れて、グアテマラフェアと銘打ったら面白いかもしれませんよ』


そんな店長に感化されたのか、気がつけば私はフロア勤務でもないのに、出過ぎたことを口にしていた。


しまった、と思いつつも、心は躍っていた。アンバーが心底好きで、仕事に燃えていた昔の自分に戻ったみたいで。



『やっぱり彗だな』


変わってない、と笑ってから。


『彗のアンバーを想う気持ちに、俺はまだ追いつけていないのかもしれない』


そんな言葉を残して、彼はグアテマラに旅立って行った────。



< 186 / 575 >

この作品をシェア

pagetop