恋色カフェ
帰りの車の中で、コーヒーのことを話していた店長はやっぱり生き生きしていた。
『せっかくだから、グアテマラの雑貨なんかも仕入れて、グアテマラフェアと銘打ったら面白いかもしれませんよ』
そんな店長に感化されたのか、気がつけば私はフロア勤務でもないのに、出過ぎたことを口にしていた。
しまった、と思いつつも、心は躍っていた。アンバーが心底好きで、仕事に燃えていた昔の自分に戻ったみたいで。
『やっぱり彗だな』
変わってない、と笑ってから。
『彗のアンバーを想う気持ちに、俺はまだ追いつけていないのかもしれない』
そんな言葉を残して、彼はグアテマラに旅立って行った────。