恋色カフェ
私が休んでいる間に、何が起きたの……?
混乱した脳内を必死に落ち着かせ、冷静に休み前の自分の行動、言動を振り返る。
昔と決定的に違うのは、どれだけ考えても、自分に思い当たる節が無いということだ。
私が一体、何をしたというのだろう。
「おはよう、“高宮さん”」
ロッカーの前で、扉も開けず立ちつくしている私に、今日初めて声を掛けたのは。
「万由さん……おはよう」
彼女はいつものように笑顔を見せることもなく、ただ、一瞬視線をこちらに揺らしただけだった。
それだけじゃない。いつもと違う部分は、もう一つ。
“彗ちゃん”ではなく“高宮さん”だったこと。