恋色カフェ
彼のシフトを確認すると、今日は午後からの勤務だった。
(遅番、か……)
勝沼君が私を避けないという保証も、避けなかったとして、理由を話してくれるという保証も、何一つ、ない。
シフトから目を外すと、また勝手にため息が吐きだされた。
“行ってくる”
いつもはロッカーに入れる筈の鞄から、携帯を取り出す。私はそこに躍る文字を見つめた。
たった一行の他愛もない文面から、店長の期待と高揚感がしっかり伝わってくる。
「どうしよう……店長」
誰もいないのをいいことに、私はため息の変わりに、少しだけ弱気な言葉を吐いた。
何にせよ、こうなった原因だけでも突き止めなくては。でなければ、私だって納得いかない。