恋色カフェ



お昼は、いつも過ごしているスタッフの休憩室には行かず、一人で外に出た。

とはいえ、こんな状況で食事が喉を通る訳もなく……。かといって、全く食べないのも胃に悪い気がして、ジューススタンドのミックスジュースを無理矢理流し込んだ。



(雨、酷くなってきた)


時折、窓からバラバラと雨の音がする。

こんなんじゃ夕勤の人達、出勤するの大変だろうな、と思っていると、事務所の扉がノックされ、背中に緊張が走った。



「おはようございまーす」


入ってきたのは、勝沼君。


「いやー、外凄い雨でまいったっすよ。傘差してたのに、ほら、こんなに服びちょびちょ」


いつもと変わりない態度に、肩に入っていた力がゆるりとほどけた。


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