恋色カフェ
「倉庫に、タオルあるよ。持ってこようか?」
「いや、ロッカーにタオル置いてるんで、大丈夫っす」
「……そう」
「高宮さんにタオル持ってこさせるなんて、そんなこと出来ないっすよ」
いつもと同じ、ということが、どれだけ人に安心感をもたらすか、こういう時に思い知らされる。
勝沼君の笑顔を見ていたら、鼻の奥がツンとした。
──ダメだ。こんなところで、泣く訳にはいかない。
「早く拭かないと風邪引いちゃ……」
「それより高宮さん」
勝沼君は、真っ直ぐこちらを向いた。
「大丈夫っすか」