恋色カフェ
『ここに入る前から、関係あったんだよね?』
『そうだろ、間違いなく』
『だとしたら、公私混同?』
『公私のけじめとかなさそうじゃん、あの人』
『まあ、確かに』
『しかし何号なんだろうな、高宮さんは』
『アハハ、何号って、言い方古くない?』
『何人目か、ってこと?』
『て言うか、今何人そういう人いるのよ、あの店長に』
次から次へと容赦なく展開される会話に、私はその場から動けなくなっていた。
──ダメだ。混乱して、何が何だか……
「事務所、行きますよ」
ふと、ふわりと優しい声が頭上から降ってきて、見れば、目の前には勝沼君が立っていた。
彼は、ほら、と私の背中を押して、事務所へと向かわせる。