恋色カフェ



『ここに入る前から、関係あったんだよね?』

『そうだろ、間違いなく』

『だとしたら、公私混同?』

『公私のけじめとかなさそうじゃん、あの人』

『まあ、確かに』

『しかし何号なんだろうな、高宮さんは』

『アハハ、何号って、言い方古くない?』

『何人目か、ってこと?』

『て言うか、今何人そういう人いるのよ、あの店長に』



次から次へと容赦なく展開される会話に、私はその場から動けなくなっていた。


──ダメだ。混乱して、何が何だか……



「事務所、行きますよ」


ふと、ふわりと優しい声が頭上から降ってきて、見れば、目の前には勝沼君が立っていた。

彼は、ほら、と私の背中を押して、事務所へと向かわせる。


< 195 / 575 >

この作品をシェア

pagetop