恋色カフェ
訊かれて当然だというのに。そこまで頭が回らず、身構えるのが遅くなった。
私が動揺したのを見逃さなかった勝沼君は、また困った顔で微笑む。
「あるんすね」
「……」
「無理には、訊かないっすけど」
どうしたらいいかわからず、口は結んだままで開くことが出来ない。
「そんな顔しなくても大丈夫。俺は、高宮さんの味方だから」
左側から、温かくその言葉が私を包んだ。
「たとえ高宮さんが優遇されていたとしても、それは高宮さんが悪い訳じゃないし」
恐る恐る勝沼君の方を向くと、首を傾げていつもの笑顔を見せている。
信用、出来るだろうか、彼を。