恋色カフェ
──ううん。違う、そうじゃない。
仮に、勝沼君に何か意図があったとしても、こうしてわざわざ時間を取って、私に話してくれた。
そして、味方だと言ってくれた。
昔、この店で味方が誰も居なくなった時のことが蘇ってきて、苦しさで小さく息を吐き出した。
やっぱり、応えなければ。
「とにかく高宮さんは、」
「あのね」
彼が立ち上がろうとしていたところを、引きとめるように言葉を投げる。
「私……付き合ってるのかどうかまではわからないけど……
店長と全く何もない、って訳じゃない」
少し驚いた表情を見せたが、そうなんすか、と言った彼の口調は穏やかなものだった。そのことにホッとする。