恋色カフェ
「でも、待遇がどうとかいう話は事実じゃない。これだけは誓って言える。
スタートはみんなと同じ、3ヶ月間は研修期間で時給制だし」
時給だって、みんなよりも高い、なんてことはない。だって、給与計算をしているのはこの私なんだもの、訊かなくてもわかる。
「まあそんなことだろうとは思ってたっすけど、やっぱりね」
勝沼君は苦笑混じりにそう言って、腕時計を確認すると立ち上がった。
「だけど、どうして急にそんな話が……」
「その辺の理由は俺にもわからないっすけど……」
勝沼君は頭を掻きながらそう言って「でも」と続ける。
「出処は分かりましたよ」
私は俯きかけていた顔を、勢いよく上げた。