恋色カフェ
そんなんじゃない、と言っている裏側で、じゃあ何だろう、と疑問を投げかけている自分がいた。
──本当に、何だろう。
もちろん、セフレじゃないことだけは確かだ。
つい勢いで、余計なことを言ってしまったかもしれない、と、後悔が胸に刺さる。もし勝沼君がそのことを追及してきたら、何も答えられないというのに。
私は何だか居た堪れず、勝沼君から視線を外した。
「何にせよ、謂れのないことで高宮さんが辛い思いをすることは無いっすよ。だから俺がみんなに……」
「ま、って……!」
私は、既に扉の近くまで進んでいた勝沼君のエプロンの端を引っ張った。
「言わなくていいから……」
「どうして」