恋色カフェ
その言葉は、私を心配して言った訳ではなく。
刺々しい音が、耳に突き刺さる。
「さしずめ、上手いこと言いくるめられて、ただ、店長にいい様にされてるだけだろうけど」
そんなことない。そう言ってやりたかった。材料を並べられるだけ並べて、反論してやりたかった。
勝手なこと言って、って。
……でも。
万由さんの言葉に、不安を覚えて傷ついている自分がいたのも事実で──。
「私はね、店長が女の子にどう声を掛けて自分に夢中にさせていたか、ずっと見てきたからわかるの」
目の前には、ただテーブルの濃いブラウンが広がっている。どうしても、顔を上げられない。
「店長にとっては、女の子を落とすのなんてゲームみたいなものなのよ」