恋色カフェ


周りの喧騒も耳に入ってこない程、ドクドクと、心音が体の中で大きく音を鳴らしている。



「高宮さんも、適当にセックスして飽きたら、簡単に捨てられるよ」



最後の最後に爆弾を落とすなんて──まったくたちが悪い。


そう思いながらも、万由さんの露骨な言葉に、私の方が周りを窺ってしまう。幸い、自分達の話に夢中で、こちらを気にしている人はいなかった。



恐る恐る覗いた心の中は、傷口がぱっくりと開いていた。だから開き直った、ってことじゃないだろうけど、ここにきて逆に冷静になってきてる。


浴びせられた棘のある言葉を、歯を食いしばりながらも淡々と並べてみると、私はあることに気がついた。



「だから、」

「あの」


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