恋色カフェ
「……高宮さん」
胸の痛みを堪えながら勝沼君の方を向くと、思いがけない、真剣な眼差しが私を捉える。
心臓が、ドクン、と大きく波打った。
「俺が店長の話をしたのは、確かに高宮さんにお願いされたから、っていうのもありますけど」
続きを待つのに、勝沼君と見つめ合う格好になっていることがどうにも落ち着かない。
少し空気が揺れる度に、ざわついて────。
「俺は高宮さんに、幸せになってもらいたいから」
鮮明に聞き取れた言葉は、何故か、漠然とした不安を煽った。
「……うん。ありがとう」
大丈夫。返答は多分、これで合ってる。
「気にすることないって高宮さんは言ったけど、やっぱり、俺の口から聞かせてしまったのは申し訳なかったな、って……
高宮さんにも、勿論、店長にも」