恋色カフェ
「皆さん、おはようございます」
1週間ぶりに見た店長は少し日に焼けていて、白いシャツがいつも以上に似合っていた。
私が、ただぼんやりと店長を見ていても、他の人にはきっと違うように見えるのだろう。
入れ替わり、視線がこちらにこっそり向けられているのに気づいて、私は不本意にも俯くしかなくなった。
「この一週間、何事もなく無事営業出来たのは、みんなのおかげだ。
明日は前から話していたとおり、閉店後に店持ちで慰労会をやるから、出来るだけ出席するように」
一気に盛り上がる、フロア。
笑いが入り交じった歓喜の声が溢れる中、私だけが一人、その場から取り残されていた。