恋色カフェ



「酔ってる高宮さん……何か、色っぽい」


──まずい。うっかり、心まで緩ませてしまってた。


ワンコからふ、と変わった妖艶な眼差しに、心が過剰反応する。動揺が、うまく隠せない。


何言ってるの、空気を換えようとそう勝沼君に言いかけた時──。




「はい、店長。あ~ん」



こちらまで聞こえるように出したとしか思えない、大きな声が耳を刺激する。


つられて振り向けば、万由さんが森谷店長の口元に、さっきテーブルに並んだばかりのアボカドシュリンプを近づけているところだった。

困惑の表情を見せながらも、店長は口を開け、それを受け入れている。



「え、ちょっと……」

「何、万由さん酔ってんの?」

「高宮さんの前でさすがにヤバくね?」


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