恋色カフェ
聞こえよがしに言うのは、その後の反応に興味があるからなんだろう。
──どんな顏をすれば、みんな満足するというの……?
私は2人から努めて自然に視線を外し、胸に溜まったモヤモヤを流そうと、目の前のピンクのお酒を喉に流し入れた。
「──店長って、高宮さんのどこが好きなんですか~?」
私の反応が期待するものじゃなかったからか、それともいい加減痺れを切らしたのか。
あるスタッフが直球で投げつけた言葉は、一瞬にして室内をしんとさせた。
「バッ……カ! 酔っぱらい過ぎだろ、お前」
「だって、本当はみんな気になってるんしょ~?」