恋色カフェ
そのスタッフは諌める言葉にも耳を貸さず、それどころか怯むこともなく強気の構え。周りの方がむしろ、青くなっているように思えた。
「…………何だ、突然」
私とぶつかった時でさえ見せなかった、店長の酷く不愉快そうな顔に、その場が凍りつく。
さすがの状況に、誰も私の方まで窺う人はいないようだ。
「す……すんません、店長。こいつ、かなり酔っぱらってるんで、気にしないで下さい」
さっき諌めたスタッフが、まだ何か言おうとしていたスタッフの口を押さえながら慌ててその場を取り繕う。
店長は怪訝な顔を残しつつも、それ以上追及することはなかった。