恋色カフェ
対峙
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そろそろお開きにしよう。森谷がそう言った時、立ち上がらなかったスタッフが2人、いた。
だから、そこに目がいったのはごく自然なことだった。
首が傾いで、サラサラなストレートの髪が、桜色に染まった顔を半分隠している。
彗に肩を貸している男を見て、森谷は一気に冷静ではなくなった。
「どうした」
何故、今まで気づかなかったんだろうか。確かにここから見え辛くはあったのだけど。
ダメだ、冷静になれ、と何度も言い聞かせたが、掛けた声はどこか小さくなってしまったような気がする。
「高宮さん、お酒弱かったんすね」
「お前が潰れるまで飲ませたんじゃないのか?」