恋色カフェ


つい、必要以上に責めるような口調になってしまい、森谷は心の中で苦笑いを零す。


「仕方ないな。とにかく高宮さんは俺が送って……」

「……いえ。俺が送っていきますから」


どうしたというのか。こいつは俺が最初に言ったことを忘れてしまったのか?


挑戦的な目をした勝沼に、森谷は驚きを隠しきれなかった。



「いや、お前の家遠いだろ。俺はこの店の責任者でもあるんだし俺が……」

「高宮さんはリックが送っていくって言ってるんですから、店長は私を送って行って下さいよ~」


万由はしな垂れかかりながら、森谷が言いかけていた言葉を遮るようにそう言った。



「……それとも。

高宮さんは送っていけて、私のことは送れない理由があるんですか?」


< 274 / 575 >

この作品をシェア

pagetop