恋色カフェ
つい、必要以上に責めるような口調になってしまい、森谷は心の中で苦笑いを零す。
「仕方ないな。とにかく高宮さんは俺が送って……」
「……いえ。俺が送っていきますから」
どうしたというのか。こいつは俺が最初に言ったことを忘れてしまったのか?
挑戦的な目をした勝沼に、森谷は驚きを隠しきれなかった。
「いや、お前の家遠いだろ。俺はこの店の責任者でもあるんだし俺が……」
「高宮さんはリックが送っていくって言ってるんですから、店長は私を送って行って下さいよ~」
万由はしな垂れかかりながら、森谷が言いかけていた言葉を遮るようにそう言った。
「……それとも。
高宮さんは送っていけて、私のことは送れない理由があるんですか?」