恋色カフェ
────……
地鳴りのような音が時折、耳に入ってきていた。時折、だと感じたのは、その時だけ意識が現実に戻りかけていたのだと思う。
高宮さん、と誰かに呼ばれた気がして、目を覚ましたのは、ついさっき。
目の前にいたのは──勝沼君。
自分の置かれた状況がすぐには理解できなかった。が、今まで自分が勝沼君に寄り掛かっていたんだということだけはわかって、咄嗟に飛び退いた。
正直、まだ頭のてっぺんがジンジンする。
でも、痛みよりも他のことが気になって、それだけに意識を向けていることなんか出来ない。
──どうして、こんなことになっているの。