恋色カフェ
──どうしよう。どうすれば。
「……高宮さんは」
躊躇ったのか、勝沼君は一瞬だけ、視線を外した。
「店長と一緒にいて、幸せっすか」
「な、に……急に」
「付き合ってる訳じゃない、とか、曖昧な関係で」
「それは……」
「もっと、自分を大事にしてもいいんじゃないすか」
「大事に、してる……」
「してない」
腕が曲がり、勝沼君の顔が近づく。
──逃げられない。
私は、息をすることも忘れていた。