恋色カフェ



──どうしよう。どうすれば。




「……高宮さんは」


躊躇ったのか、勝沼君は一瞬だけ、視線を外した。



「店長と一緒にいて、幸せっすか」



「な、に……急に」

「付き合ってる訳じゃない、とか、曖昧な関係で」

「それは……」

「もっと、自分を大事にしてもいいんじゃないすか」

「大事に、してる……」

「してない」



腕が曲がり、勝沼君の顔が近づく。


──逃げられない。

私は、息をすることも忘れていた。



< 297 / 575 >

この作品をシェア

pagetop