恋色カフェ

不安


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薄いカーテンから漏れてきた光で、目が覚めた、朝。


(今何時……?)


ゆうべ、あのまましばらくソファーに横になっていた。と言っても目を瞑ることはせず、本当に横になっていただけ。


別に、思考が煩くて眠れなかったという訳ではなく、むしろその逆で。頭の中は何色かで一色に塗りつぶされたみたいにシンとしていた。



(体、痛い……)


どうやらいつの間にか眠ってしまっていたらしい。変な体勢で寝ていたせいか、脇腹と首がつったように痛い。


時計を見れば、出勤までにあと2時間はあった。


「寝坊してなくて、良かった……」


今日初めて声を出すと、いつものではない、かさついた音が耳に聞こえて焦る。


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