恋色カフェ
店長に、何かしら心境の変化があったのだろうか。
……と、些細なことにも、つい余計な勘ぐりを入れてしまう。
店長とは、あれから仕事以外の話はしていない。
多忙でろくに顔を合わせていないせいもあるだろうけど、未だに言い訳すらさせてもらえず、誤解を解くための糸口が見つからないままだった。
──このまま、終わってしまうのかな。
この言葉が脳裏に浮かぶ度、まだ始まってもいないじゃない、と心で自嘲を漏らした。
「高宮さん」
「は、はい……っ」
ぼんやりしていたところに急に名前を呼ばれたものだから、返事がうわずる。
「業務用家具のカタログが届いたら、すぐに教えて。……あ、それと」