恋色カフェ



「あーやっぱり!」


事務所の扉を開けたと同時に、耳に飛び込んできたのは、万由さんの声。


「これですよね、絶対。私、あの白磁に合うのはこのテーブルだって、一目見た時に思ったんですよ」

「他の食器のイメージにも合うしね」


盛り上がる声が、ソファーの方から聞こえてくる。

時間をあけても状況は変わってなかったな、とため息を吐きそうになって、やめた。



どうも、店長と万由さんの感性は似ている、らしい。


もちろん、今回の件に関して他のフロアスタッフにも意見を聞いているようだったけど、この2人の意見が合い過ぎていて、口を挟む隙が全くない、と怜ちゃんがこっそり話してくれた。


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