恋色カフェ
「負けてないね、勝沼君も」
「……え?」
「凄く好きだ、って顔してる」
勝沼君は一瞬、きょとんとした顔をしてから、何かと勘違いしたのか、見る見るうちに耳まで真っ赤になってしまった。
「そ、れは……好き、っすけど……」
テーブルの方へと視線を泳がせた勝沼君の様子を見て、肝心なことが言い足りてなかったことに気づく。そしてそれが、とんでもない誤解を生んでしまっていることにも。
私まで、顔が火照ってしまった。
「あの……コーヒーが、っていう意味だったんだけど……」
「えっ?!」
うわー、俺やっちゃいましたよね、ヤベー、恥ずかしい。そう言いながら慌てふためいている勝沼君を見ていたら、何だか可笑しくなって笑ってしまった。