恋色カフェ
『……本気だと言ったら?』
森谷店長の言葉がふと、頭に蘇った──。
あの日の翌日から店長は買い付けに行っていて、店に姿を現してはいない。
顔を合わせないことで、ようやく落ち着きを取り戻してきたというのに。
「マジで、店長には気をつけた方がいいっすよ、高宮さん。
あの人、そんな裏切り行為ばっかしてたから、理英さんとも離婚しちゃったっすからね」
「……えっ、離、婚って……」
サラリと流された言葉が頭で巻き戻り、ガン、と衝撃が走った。
「あれ? 知らなかったんすか?
つい2ヶ月前の話っすよ」
「…………知らなかった……」
だから理英さんの席が、空いていたのか。
だから、理英さんは店から姿を消したのか。