恋色カフェ




「で、店長、さっきの件なんですけど──」


遅くても一時間後には戻る、と話していた店長は、あの後きっちり一時間後に戻ってきた。


事務所の中に入ることはせず、入口の所でブランケットを私に返す時、

「結局、家に戻ってシャワー浴びたら終わってしまった」

と苦笑いを浮かべながらそう言っていた。


それから数時間経った今、再び事務所に現れた店長は、やっぱり、というか、当然のように万由さんと一緒。




「……あれ」


店長は自分の机の上を見て、不思議そうな声を出した。それに反応して、ドキリ、と私の心臓が跳ね上がる。


「このドリンク剤……」


言いかけて、店長がこちらを向いた気配がした。


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