恋色カフェ



「あ、それ私が置いたんです」


今の言葉は、私の口から出たものじゃない。そう、目の前に立っている──、


「……土屋が?」

「店長、お疲れかと思ったんで。良かったら飲んで下さい」


驚いて彼女を見れば、こちらを見て照れ笑いまで浮かべている。



(……信じられない)


全くこの人は、どういう神経をしているのだろう。


私がコンビニから戻った時、丁度従業員口の前に万由さんがいた。なに買ってきたの、と何気なく訊かれ、つい答えてしまった。

だから、素直に答えたお前が悪い、と言われればそれまで、なんだけど……。



「これ、どこで買ってきたの?」

「ここから一番近いコンビニですよ」

「……そう」


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