恋色カフェ
アンバーの周りには、コンビニが2軒ある。徒歩1分もかからない近場と、徒歩5分程の場所。
私はあえて、徒歩5分のコンビニでそのドリンクを買った。
近場のコンビニで買わなかったのには明確な理由がある。
そのことは誰よりも、店長が一番よく知っている。3年前も今も、全く理由が変わっていないことも。
「ありがとう、後で飲ませてもらうよ」
口に出なかったのが奇跡だと思うくらい、驚きと疑問が綯い交ぜになった声が、頭の中で大きく響いた。胸に、刃物が刺さったような痛みが走る。
──どうして。
店長が万由さんの嘘を見抜けない筈はないのに。