恋色カフェ
「さっき言ってた寄り道って……ここのこと?」
勝沼君が店長に言った言葉の意味が、私には全くわからなかった。その前の「さあ、どうすかね」というのも。
勝沼君はいつもそんな言い方はしないから、妙な違和感を覚えた。
わざわざ勝沼君に送ってもらわなくとも、ここから駅までは間違いなく一緒だし、その先はタクシーを使ったっていい。この間のように酔っている訳じゃないから、ちゃんと辿り着けるし。
「あ……いや……」
勝沼君は俯きながら、曖昧に濁す。
そのまま言葉は途絶え。言い渋っている様子の彼をじっと見つめていると、不意に、勝沼君は真っ直ぐこちらに顔を向けた。