恋色カフェ
一緒に愚痴っていたバイトの子たちは、自分にも火の粉がふりかかったら大変だと、それ以来手のひらを返したように私に近寄らなくなった。
1人も味方がいなくなって、職場での居場所も日に日になくなって、その状況に耐えられず退職願いを出したのは、その1ヶ月後──。
馬鹿みたいに1人で正義を振りかざし、みんなの為にと私が先陣を切って、いざ、蓋を開けてみれば誰もそんなこと望んでいなかったという、顛末。
何やってたんだろう、と。
辞めた直後の私は、後悔に押しつぶされて、毎日涙は枯れることがなかった。
好きな仕事だっただけに、自ら手放してしまったことが悔しかった。
……何より、一番の後悔は。
仕事を理由に、側にいられなくなった、こと。
私の心の奥底で、店長──森谷 煕(もりや ひろむ)へのどうしようもない気持ちが溢れていたから。