恋色カフェ
でもそれは、ただ小さな部屋に鍵をかけて閉じこもっていただけだ。
傷つくことも無い、なんて、嘘。だってもう、充分痛い。
『俺は、頼りにならない?』
『勝沼の方が、頼りになる?』
今更ながら、あの時ちゃんと誤解を解こうとしなかったことを後悔した。離してはいけない手をほどいたのは、誰でもない、自分だ。
どうせ逃げられるなら──と。
向こうから手離されるのは、辛いから。
どこまでも自分のことばかり考えて。結局私は、自分のしたことに傷つけられていた。
「わかった、って……何が」
「私も、勝沼君と同じだったんだって」