恋色カフェ
勝沼君は更に疑問の色を濃くし、怪訝そうな顔をこちらに向けている。
「好き、なんだ、私も。店長のことが」
そう口に出したら、自然に口角が上がった。
「……どんなに変わってしまっていても、あの人は最低だと周りから窘められても、私はどうやっても、店長のことを嫌いにはなれないの」
「それは、いっぺん好きになった人なら……」
「ううん、それだけじゃなくて。
こんな中途半端なままじゃ、私は誰と居てもきっと店長のことを忘れられない」
だから、終わらせなくちゃいけないんだ。
「遡れば、3年前に自分の気持ちをちゃんと伝えて、そこできちんと終わらせればよかったのかもしれない。
許されない恋だから、もちろん、過去形が前提だけどね」