恋色カフェ




「疲れたー」


みんな、口々にそう言い合う。店長は「お疲れさん」と、スタッフ全員にテイクアウト用のカップにいれたアイスコーヒーを出してくれた。



何とかトラブルも無く、無事に一日が終わった。

私がどれだけ役に立ったのかはわからないけど、新入荷の商品はもちろん、雑貨全体の売れ行きが好調だったのは間違いない。


あれから隙間を見つけ、私も怜ちゃんも何度か万由さんに連絡を入れてみたものの、結局、彼女に繋がることはなかった。



「お疲れ様です、彗さん」

「怜ちゃんも」


カップを合わせ、乾杯する。酒じゃねーんだから、と隣にいたスタッフが笑っている。私達も顔を見合わせて、笑った。


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